診療について
3月に急増する花粉症。症状と治療法、眠くなりにくい薬の選び方を内科専門医が解説します。

2月中旬から急に気温が上がってきましたね。
気温が一気に上昇すると同時に、花粉症の症状が強く出る方が急増しています。
花粉症ってどんな病気?
花粉症は正式には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれ、スギやヒノキなどの花粉に対してアレルギー反応が起こることにより、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状が出現します。これらの症状が続くことにより、集中力の低下や睡眠の質の悪化など、日常生活のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。
症状が軽い場合は「毎年のことだから」と我慢してしまう方も多いと思いますが、炎症が長引くと副鼻腔炎(蓄膿症)や咳症状を伴うこともあります。また、鼻づまりが強い場合は睡眠の質が低下し、日中の倦怠感や頭痛の原因になることもあります。
どんな治療法がありますか?
花粉症治療で大切なのは、症状と重症度に応じた薬剤の適切な選択です。抗ヒスタミン薬(最もよく処方される内服薬)はくしゃみ・鼻水には効果的ですが、薬剤によっては眠気が出ることがあり、仕事で車に乗る人では注意が必要です。当院では、眠気の少ないタイプのお薬を中心に、生活スタイルに合わせて選択しています。
鼻づまりが強い場合には抗ロイコトリエン受容体拮抗薬を併用することもありますし、漢方薬が有効なケースもあり、患者さんの状態や症状を考慮して処方します。
さらに重要なのが点鼻薬です。特にステロイド点鼻薬は局所で炎症をしっかり抑えるため、全身への影響が少なく、有効かつ安全性が高い治療法です。内服薬と組み合わせることで、症状を大きく軽減できることが多くあります。
花粉症の治療薬なら何でもよいの?
当院では総合内科専門医として、単に「花粉症だからこの薬」という画一的な処方ではなく、症状のタイプ、眠気への耐性、仕事や学業への影響などを総合的に判断して薬を使い分けています。
自動車を運転する人、高齢で内服薬が多い人、スポーツをしている人など、患者さんの状況により最適な薬が異なります。
また、アスリートの場合では、ドーピング検査への適合性や、薬剤によるインペアードパフォーマンス(眠気・集中力低下)にも十分配慮します。競技レベルや種目に応じて、使用可能な薬剤を確認しながら処方を行っています。
花粉症は「我慢する病気」ではありません。早期から適切な治療を行うことで、症状は大きくコントロールできます。つらい症状が続く方は、ぜひ一度ご相談ください。

